私を殺そうとした彼氏2

私の過去の恋愛話

 

付き合って4ヶ月。

毎日優しく毎日笑顔で最高の彼氏だと思っていた人が、ある日突然暴れて家をめちゃくちゃにしました。

何かが乗り移ったのではないかと思うほどの豹変ぶりに、私の頭はついていけません。

きっとあの夜のことは幻だった。

明日からはまた、きっとずっと優しい彼。

そう自分で言い聞かせ、彼もまた「本当にごめん」と反省するので、ついつい許してしまったのです。

 


 

新しい職場

 

その事件の2日後から、彼は新しい職場の不動産屋に就職しました。

どうやら仕事は楽しいようで、「いい職場紹介してくれてありがとう!」とキラキラ目を輝かせて帰ってくる彼を見て、きっとこのままうまくいく、と私はポジティブに考えるようにしました。

不動産屋は歩合制の給料なので、水商売でいい給料をもらっていた私は、彼の生活を少しだけ支えてあげ、「先行投資だからね!いつかはしっかり稼げるようになるんだよ!」と応援し、彼もまた、「絶対に幸せにするからね!」といつもの優しい彼に戻っていました。

しかし、職場に慣れてくると職場での飲み会などが多く入るようになりました。

そして、帰りが遅くなると決まって別人のような顔をして帰ってくる彼がいたのです。

言葉は荒く、少しでも反抗すれば暴力を振るうのではないかという雰囲気。

私はそういう時の彼が怖くてたまりませんでした。

そう、彼はお酒を飲むと豹変してしまうタイプのDVだったのです。

私はシラフの時の彼に「お願いだからお酒をやめてくれ」とお願いし続けました。

そして、元々友人だった彼の会社の社長にも「お酒を飲ませるのをやめてくれ」と頼み続けました。

しかし、彼が酔って帰ってくる頻度はどんどん増えていきます。

 


 

DVだなんて誰も信じてくれない

 

私も彼と飲み友達だったので知っているのですが、彼は飲んでいるときはすごく明るくて面白い人なんです。

DVなんて想像もできないような人。

そしてズバ抜けたコミュニケーション能力を持っているので、会社でも気に入られることは目に見えています。

なので、飲みに誘いたくなる気持ちもわかるし、彼が豹変するだなんて、他人にはわからないことなのです。

彼自身がお酒を断つと心に誓わなければ、きっと彼は変われないのでしょう。

そして彼が酔って帰ってきたら暴力を振るうというのが当たり前になっていきます。

私が別れてくれ、帰ってこないでくれ、と言うと余計にヒートアップして暴力を振るうように。

私はある日、藁にもすがる思いで元旦那に相談をしました。

元旦那はとても私を心配し「俺がなんとかするから待ってろ」と言うと電話が切れました。

何をする気だろう?と思っていると30分後にインターフォンが鳴り、画面には元旦那の姿が。

もちろん酔っている彼氏は怒り狂い、玄関を飛び出し元旦那に殴りかかりました。

 


 

お酒さえやめてくれれば

 

『元旦那が危ない!』そう思った瞬間、両脇から警察が制止し、そのまま逮捕。

元旦那はこうなることを予測し、わざと警察をインターフォンの画面に映らぬようにしていたのです。

これには本当に救われました。

彼は1ヶ月ほどの拘留が決定。

私はその1ヶ月の間に彼の荷物を友人に託し、平穏を手に入れました。

だけど頭から優しかった彼の記憶が消えません。

どうしてこんな別れ方をしなければいけないのかと思うと悔しく、そして、DVはこんなにも治らないものなのかと実感したのでした。

私は彼に手紙を出しました。

そこには

「いつかまたお酒をやめてしっかり仕事ができるようになったら、友達として会いましょう。」

と書き、いつか彼が更生してくれるといいなと願ったのでした。

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