彼が2度目に留置所に入ってから1ヶ月が経過しました。
彼が出てきて何をしているか、家もないのにどうしているのか、職場はどうなるのか。
色々気になる点はありましたが、連絡をしてはいけない。そう自分に言い聞かせながら犬の散歩をした帰り道のこと。
玄関の鍵を取り出しふと前を見ると、玄関前に彼が立っているのです。

行き場のない彼
彼は私の顔を見るとすぐに土下座し「別れたくないんだ!ごめん!もうお酒は絶対に飲まないよ!許してくれよ!!」と涙しています。
突然のことにびっくりした私は、冷たく「無理。」なんて言えるはずもなく…。
とりあえず部屋にあげると
「まずは一度離れよう。一人暮らしをして自立して、お酒をやめて、その後にまた同棲しよう。待ってるから。」
と説得しました。
しかし彼は、一人暮らしをするお金もない、友達の家も当たったけどダメだった、施設育ちだから家族はいない、仕事もない、と泣くばかり。
普通だったらここで弾き返さないといけないのはわかっていたんです。
でも私はまだ彼のことが本当に大好きでした。
お酒さえやめてくれれば最高のパートナーになれるのに…。
そんな気持ちが強く、「じゃあまずはうちに住んで、一人暮らしするお金を貯めて、そしたら1度出て行ってね」と約束させてしまったのです。

水商売の世界へ
それからは彼との関係は友人や家族にも一切言わないようにしました。
言っても「早く別れろ。追い出せ」としか言われないのはわかっています。
だけど私は彼を最後に信じると決めたのです。
私は彼に水商売の仕事を進めました。
本当は水商売の世界になんて入って欲しくはなかったけど、手っ取り早く稼げる仕事はこれ以外に見当たりませんでした。
それに、彼はお酒を飲むと浮気をするクセもあったので、もしもお酒がやめられなかった場合、他の女性に乗り換えて帰ってこなくなるのではないか。そう思ったのです。
まずは自分の安全と、彼の自立。
お酒を飲まずに仕事を頑張ってくれればベストだけど、そうじゃなかった時にも助かる可能性が高まるように…。
そして彼は私の知人のお店で、キャバクラのボーイとして働くようになりました。

壁に頭を打ち付けられる
最初は真面目に働いているようでしたが、また数ヶ月経つとお酒を飲み始めたようでした。
私は呆れましたが、お金はやはりすぐに貯まったので、彼にそのお金でマンションを借りるように促し、渋々小さなワンルームのマンションを借りさせ、出て行くように訴えました。
しかし彼は「出て行きたくない!離れたくない!」と騒ぎ、なかなか出て行ってくれません。
そのうち「出て行って」と言うと暴力を振るうようになり、誰にも相談できなかった私は何もかもを諦め、暴力に耐え続けるような生活になっていったのです。
そんなある日、彼はいつにも増して泥酔して帰ってきました。
そして突然、怯える私の髪を掴み、何度も何度も壁に叩きつけたのです。
私は後頭部から血を噴き出し、体が動かなくなりました。
声も出せず、壁と床を血が赤く染まっていくところを見ながら「このまま死んじゃうのかなあ」と客観的に考えていました。
どんどん寒気がしてきて、体が震えているのがわかります。
それは辛く、いっそのこと刺し殺してもらったほうがいいのではないかと思っていました。
でもあの時、「いっそのこと刺して!」なんて言ったら本当に刺されていたでしょう。
そして彼は、そんな私の服を脱がし性行為を強要しようとしてきたのです。
「この人ってお酒飲むと本当に頭がおかしくなっちゃうんだな。」と思うと、なんだか笑えてきました。
そのうちにだんだん意識が遠のいて、私は彼に小さな声で
「警察には言わないから病院に連れていって…」
というとそのまま意識を失ってしまったのでした。


コメント