私を殺そうとした彼氏4

私の過去の恋愛話

 

壁に頭を何度も打ち付けられ、頭から血を噴出し、意識を失った私。

目が覚めるとそこは病院のベッドの上でした。

看護師さんが私に声を一生懸命かけながら血だらけの頭を洗い、治療を施したあとでした。

目が覚めた私に気がつくと看護師さんは小さな声で「彼が転んだって言ってたけど本当?」と聞いてきました。

私は小さく首を横に振ると「警察呼んでください。」そう言ってまた眠ってしまいました。

 


 

被害届の提出

 

次に目が醒めると私の周りには警察官がたくさんいました。

待合室にいた彼はすでに連行されたようで、警察いわく、「私が被害届を出さないと今日中に逮捕できない」と言うのです。

逮捕ができないと言うことは、夜にでも病院に押しかけられて殺されてしまうかもしれない。

そう思うと無理にでも被害届を出す必要があると感じました。

私は頭を固定され、包帯がぐるぐる巻きで血が滲んだまま車椅子に乗せられると、警察署まで連れて行かれ、そして警察署のベッドで寝かせられたまま調書を取ったり、震える手でサインをするなど、とても辛い中で被害届を提出しました。

途中途中寝てしまうこともありましたが、警察官はみんな優しく私のペースに合わせてくれました。

そして、彼は無事に逮捕され、私は病院でしばらく入院することになったのです。

 


 

接近禁止令

 

数日後、退院した私はまだほとんど歩けないままに知り合いの弁護士事務所を尋ねました。

そこで警察に言われた通りに「接近禁止令」という手続きを進めます。

接近禁止令が通ると、彼は今後私に近づいただけで再逮捕になります。

これをしておかなければ彼はまたやってくるでしょう。

その後は悲しんでいる間も無く、弁護士と打ち合わせをしたり、裁判所へ行ったり、拘置所へ行ったり、家に捜査が来たり、警察署に呼ばれたり、ととても忙しかったことを覚えています。

そして彼は裁判で執行猶予と保護観察処分となり、私の出した接近禁止令も無事に通ったことが確認できました。

彼が出てきた後もしばらくは、私が職場へ行き来するのに警察が付き添ってくれましたが、彼が私の前に現れることはありませんでした。

彼はその後、また水商売に戻りましたが、酒癖の悪さが露呈した為解雇となり、今では工場のようなところで働いているようです。

そして、毎月少額ですが、弁護士を通して慰謝料が振り込まれています。

彼が何を思い、どう生活をしているかはわかりませんが、きっと彼は今でもお酒をやめられずにいるのだろうということは察しています。

 


 

DVは治りにくい病気

 

DVというのは一種の病気です。

そしてそれを治すには、周りの協力もたくさん必要になりますし、本人自身で治す努力をしなければいけないのです。

もしも彼の職場の人が一緒になってお酒をやめるように促してくれていたらもしも彼が本気でDVしない努力をしてくれたらなど思うことはたくさんありますが、事実は一つ。

彼はDVをやめられなかったし、私も自分が命の危機を感じるまで別れられなかった。

それだけなんです。

どんなに彼の素晴らしいことを知っていても、DVである以上はいい男ではありませんよね。

世の中にはDVで殺されてしまう人だってたくさんいます。

私はたまたまそうならなかっただけで、死んでいてもおかしくなかったと今では思います。

もしも周りにDVDV被害者がいたら、できる限り協力してあげてください。

それで被害を小さくできたり、命を救えたりするのですから。

私はこれからも、頭に残った大きな傷と共に生きなければいけません。

思い出すと心が痛くなりますが、彼のおかげで今の私がいるのも事実です。

遠くから、次の被害者が出ないことを願っています。

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