一度離婚届を提出し、事実婚状態にするのをペーパー離婚と言います。
ペーパー離婚をする理由は、「旧姓に戻すこと」というのが目的で、夫婦関係は継続、戸籍上でだけ離婚したことになるのです。
となると偽装結婚を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、それとはまた別で、ペーパー離婚はただ名字を旧姓に戻すだけ。
ここではそんなペーパー離婚により旧姓を戻すとどんなメリットがあるのかについて説明していこうと思います。
ペーパー離婚のメリット
ペーパー離婚の最大のメリットは夫婦別姓を実現できるということ。日本では結婚している間は同じ姓を名乗らなければいけないので、それをデメリットと感じる人がペーパー離婚をします。
公的書類や仕事などにおいて結婚前の姓を使いたいという場合にペーパー離婚をする人が多いのです。そして、ペーパー離婚のメリットは他にも「民法上の拘束から解放される」というものがあります。
法律上で夫婦になると色々な責任や拘束が発生するので、それが嫌だという夫婦はペーパー離婚をすることで夫婦という縛りに悩まされずにすむのです。
そして、結婚をすると夫婦どちらかの姓が変わります。そうするとたくさんの書類関係、カードやパスポートなどの名前を変更しなければいけません。これってとても面倒なことなんですよね。
なのでペーパー離婚をすることによって旧姓に戻してしまうという方法を選択する夫婦もいるのです。
ペーパー離婚のデメリット
ペーパー離婚はメリットだけではありません。ペーパー離婚をしてしまうと法律上で夫婦と認められないので法廷相続権が認められなくなるデメリットがあります。
そして、戸籍に離婚歴がついてしまうことも気になりますね。ペーパー離婚をし、ペーパー離再婚をし…と繰り返している場合はバツが何個もついてしまいます。
そのあたりを気にしない夫婦ならいいのでしょうが、離婚歴がつくのが嫌だという人にはそもそもペーパー離婚はオススメできません。そして、まだまだあまり馴染みのないペーパー離婚という言葉は、周囲を混乱させてしまう可能性もあります。
世間からは厳しい目を向けられることもあり、トラブルになってしまうこともあるかもしれません。
ペーパー離婚をする前には弁護士に相談を
ペーパー離婚というのはただ紙切れ一枚を役所に提出するだけで成立しますが、あまり軽い気持ちでしてしまうと後々トラブルになってしまう可能性があります。
ペーパー離婚をする前には一度弁護士に相談するなどして、しっかり計画を立ててから行いましょう。結婚して全ての書類の名字を変更する手続きは非常に面倒ですが、ペーパー離婚をするということもそれなりにデメリットがあるということです。
よく考えて、話し合いを重ねてから判断してくださいね。
夫婦別姓にできないのは日本だけ
そもそも、ペーパー離婚をする最大のメリットは名字を旧姓に戻せることですが、なぜ日本では結婚をすると名字をどちらかの性で統一しなければいけないのでしょうか。
統一していると家族らしさを感じるのは確かですが、この法律があるのは日本だけなんです。海外では夫婦別姓が当たり前。なので、もしかしたらもうすぐ日本も夫婦別姓がOKという法律ができるかもしれませんね。
ペーパー離婚しなくてもいい環境になるには
ペーパー離婚をすると名字が旧姓に戻せるというメリットがあります。それに法律上の夫婦としての縛りがなくなるので多少気持ちが楽になる部分はあるでしょう。
しかし、ペーパー離婚はメリットだけではなく、同じかそれ以上にデメリットもあるというのが問題です。そもそも日本では家族は同じ性でなければいけない。いつかはそこを問題点として、改善されていくとペーパー離婚をする必要もなくなるのではないでしょうか。
コメント